Group Description:曽我兄弟と工藤祐経との対面の場。兄弟に討たれてやることを覚悟するが、富士の巻狩まで待てといい、その巻狩の絵図面を見せられる場面。舞鶴を演じている<1>岩井杜若が天保3年11月に改名し、<2>中村芝翫の江戸御名残の出演が天保4年9月であることから、この絵は天保4年正月頃のものと推定できる。しかし、天保4年に三人の役者は同じ座に出演しておらず、したがって、いわゆる見立絵と思われる。五郎の衣装には蝶、舞鶴は鶴の丸の大紋素袍、工藤祐経は庵木瓜の紋に<2>芝翫に由縁の深いイ菱紋を全面にあしらったっている。