Group Description:本作は背景が続くことから〈5〉団十郎〈1〉里好〈3〉八百蔵〈4〉半四郎〈1〉仲蔵の五枚続と考えられる。この五人が同座したのは天明1年度中村のみ。この時の番付を確認すると安永9.11中村絵本番付にこの五人が共に登場する場面の絵が描かれている。本作は屋外、絵本番付では室内という違いはあるが、役柄的な扮装は一致している。また評判記『贔屓升』里好条に「八百蔵殿傘さしかけ道中の出よいと申ます」とあり、この記述と本作の内容は一致していることから、印象的であったこのシーンに沿った形で五人の絵が描かれたものと考えれば違和もない。よって安永9.11中村のものと考証する。