Group Description:本作は背景が一致することから続絵とわかり、似顔と紋から〈6〉小十郎〈3〉宗十郎と思われる。なお中山小十郎は〈1〉中村仲蔵が一時期使った名である。 また落款が高台がしっかりとした壷印であり、これは天明5~6年前後にのみ使われたものである。 仲蔵が小十郎を名乗り、かつこの壷印が使われていたのは天明6年度中村のみ。この時二人は同座している。よってこの時の番付を確認すると天明5.11中村絵本番付に持ち物や扮装が非常によく似た二人の姿が確認出来る。この場面は別々の場所出身の巡礼3人が出合い、話す中で互いの心を探り合うというシーンだったらしい。内容にも合致していることからこの時のものと考証する。なお鎌倉巡礼太郎七実は悪源太義平を演じる八百蔵の絵が続く可能性がある。