Group Description:多くの人々に親しまれていた歌舞伎舞踊を子供絵で描くものとしては、天保頃の刊行とみられる渓斎英泉の「子供遊踊尽」のシリーズがある。この英泉の一連のシリーズが、大錦一枚の揃物であるのに対して、この作品では大錦三枚続で「関の扉」の上の巻を描く。国貞は、英泉や国芳に比べ子供絵の残存数が少ないだけに、この作品は子供絵を考える上で、貴重な作品といえよう。描かれた場面は、小町姫が宗貞を訪ねて逢坂の関へやって来る場面。この後の関兵衛の振りに著名な「生野暮薄鈍(きやぼうすどん)」のあて振りがある。