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2. 江戸の春本

江戸の春本 / 延享期〜安永期(1744〜1781)

この時期の江戸では、奥村政信や石川豊信、鈴木春信、北尾派などが春本を制作している。単に、男女の情愛を描くだけではなく、歌舞伎の趣向を取り入れたり、和歌や漢詩に男女の物語を見立てたりするなど、趣向を凝らした作品が多い。それらの中には、京都の浮世絵師西川祐信から影響を受けた作品も見られる。

No.02A『艶好虎之巻』は、歌舞伎の演目を取り入れ、当時人気のあった歌舞伎役者を登場人物として用いた春本。二代目市川団十郎や初代佐野川市松などが描かれている。
No.02B『今様妻鑑』は、『和漢朗詠集』に載る漢詩・和歌に擬えて、男女の情愛を描いている。
No.02E『笑本春の曙』は、『枕草子』を題材にした作品。挿絵の中には、祐信の春本からの構図利用も見受けられる。

艶好/虎之巻(えんこう/とらのまき)/奥村政信 画
所蔵番号: arcBKE2-0008
02A
艶好/虎之巻
えんこう/とらのまき
奥村政信 画
半紙本(横)3冊
延享2(1745)年頃刊
立命館大学ARC
今様妻鑑(いまようつまかがみ)/粹翫坊 序、鈴木春信 画
所蔵番号: KC/172/Su
02B
今様妻鑑
いまようつまかがみ
粹翫坊 序、鈴木春信 画
半紙本3冊
明和8(1771)年頃刊
国際日本文化研究センター
[好色三十二相](こうしょくさんじゅうにそう)/北尾政美 画
所蔵番号: hayBKE4-0018
02C
[好色三十二相]
こうしょくさんじゅうにそう
北尾政美 画
小本(横)2冊
天明期(1781〜1789)頃刊
立命館大学ARC林コレクション
笑本春の曙(えほんはるのあけぼの)/小松屋百亀 作、北尾重政 画
所蔵番号: KC/172/Ki
02E
笑本春の曙
えほんはるのあけぼの
小松屋百亀 作、北尾重政 画
半紙本3冊
安永1(1772)年頃刊
国際日本文化研究センター