Group Description:この作品の取材狂言である「時平公七笑」は、「菅原伝授手習鑑」の書替狂言で並木五瓶の手による「天満宮菜種御供」を福地桜痴が<9>市川団十郎のために活歴調に改訂した作品。描かれた場面は自らの奸計に見事にはまり、太宰府へと流罪になった菅原道真を見送り、一人残った時平が大笑いして幕となる場面。桜痴の改訂により、従来のように目障りな菅原道真を追い落とすために時平が奸計を仕組んだのではなく、帝の革新的な政策に反対する保守派の菅原道真を追放するためであったという設定に改変させられた。しかしこの活歴調の演出は見物には受入れられず、不評に終った。